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コラム

初めまして。私は今年の1月から天神法律税務事務所に勤務しております、田中芳典と申します。弁護士として仕事をし始めて約4ヶ月になります。まだまだ新人で、日々学ぶことばかりですが、今は目の前にある仕事を一つ一つ頑張りながら、一歩一歩成長していきたいと思います。宜しくお願い申し上げます。

気づけば前回のコラムから約3ヶ月が過ぎ,季節も冬から春へと変わりました。私は春生まれということもあり、桜が咲き、暖かい風が心地よさを運んでくるこの季節が大好きです。晴れた日には散歩が気持ちいいですよね。
 さて、春といえば新入学の季節ですが、私も今から4年前の2004年4月に、大阪大学大学院高等司法研究科、いわゆる「法科大学院(ロースクール)」に入学しました。
 法科大学院とは,ご存じの方も多いと思いますが,司法制度改革の一環として,2004年4月からスタートした新しい法曹養成制度です。つまり私は,制度が始まった年に入学した、まさに制度の「第1期生」ということになります。
 ところで、法科大学院といっても、そこで一体どういう教育が行われているかご存じでしょうか。私自身も、第1期生ゆえ、入学当初は、法科大学院ってどういう授業をするところだろう、授業以外にどのようなことが経験できるのだろうと、期待と不安でいっぱいでした。
 そこで今回は、卒業生である私が、私の通った法科大学院を例に、法科大学院とは一体どういうところなのか,についてお話させていただきたいと思います。

まず思い違いをされている方もいるかもしれませんが、法科大学院は、従来まで存在した大学院が変化したものではありません。従来の大学院は大学で学んだ法律の知識をさらに深める場であり、自分の研究したい分野の法律について学習します。いわゆる研究者(教授など)を目指すための教育機関です。一方法科大学院は、裁判官・検事・弁護士になるため、実務家として必要な法律知識の習得を目指して学習します。このように、二つの大学院は全く別の機関なのです。
 法科大学院においては、初めは,六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)を中心として、大学で得た法律知識をさらに発展させるための授業が行われます。何十ページの論文をあらかじめ読んできた上で授業をしたり、先生が黒板の前にいるのではなく、教室を歩き回りながら、ディスカッションをして授業を進める授業もありました。いずれも授業も、大学のように、大きな教室で教授が話すような授業ではありませんでした。
 その後、実際に裁判官・検事・弁護士の方が派遣されて教壇にたち、大学では学ぶことのできない実務的な観点を取り入れた授業をすることになります。特に実務家による授業は、いつも教科書の中でしか法律を見てこなかった私たちにとって、実際に法律が実際の現場でどのように生きているか学び取ることができた授業であり、とても魅力的なものでした。
 また、六法だけにとらわれず、より専門的な分野の法律(労働法や知的財産法,破産法等)についても学ぶことになります。そこでは,自分の将来のために必要な法律知識を自らの選択で学ぶことになります。
 その後、ある程度実務的な教育を受けたところで、訓練として、学生がそれぞれ裁判官・弁護士役(刑事裁判のときは検察官も)となって、模擬裁判をすることになります。私が印象に残っているのは、民事事件の模擬裁判です。
 そのときの事件は医療過誤事件でした。私は原告の弁護士役になったのですが、資料には難解な医療用語が使用されており、一読しただけでは、どういう事件なのかはっきりとはわかりませんでした。しかし私は、どうしてもこの病気のことを理解しないと、依頼者のことを理解してあげられないし、まして訴状など書けないと思い、その病気の症状や治療方法について、本を探したり、医学部の友人に聞くなどして調べあげました。そのときに作成した訴状は、人生で初めて作成した訴状として、今でも家に保管しています。
 さらに、法科大学院には、エクスターンシップという科目があります。それは企業のインターンと同様に、法科大学院生が、弁護士事務所に行き、弁護士の間近で、弁護士の仕事を体験するというものです。私が弁護士となってからも、当事務所に、法科大学院からエクスターンシップの学生が来ました。それを見て、いつのまにか学ぶ立場から、教える立場へと立場が変わったのだなぁと感慨深く感じました。
 そして、法科大学院生は、大学院を卒業した後、従来の司法試験とは違う「新司法試験」という試験を受験し、それに合格して初めて弁護士への道が開かれることになります。

私たちは、司法改革制度のもと生まれた、初めての法科大学院卒業生の弁護士です。まだ法科大学院制度は始まって4年たらずであり、どの法科大学院も、今は試行錯誤を繰り返している途中だと思います。しかし法科大学院制度は、必ずすばらしい法曹家養成制度になると考えています。ただ,そのためには、私たち卒業生が、後輩の手本となるような実務家になり、そして第一期生である私たちが経験してきたことを、大学院にフィードバックしていかなければならないと思います。そうすることが、私たちを育ててくれた大学院に対するせめてもの恩返しとなると思っています。

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