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コラム

6月も中旬をすぎ、いよいよ本格的な夏到来となってきました。
 今年は、地球温暖化の影響か、水不足と猛暑がニュースを騒がせています。私は、個人的には暑いのは嫌いなので(といっても寒さにも弱いのですが)、今から、あの蒸し暑い夏と、紫外線に恐れをなしています。

さてさて、このコラムに書くべき「ネタ」探しをしているうちに、更新予定を遙かに徒過してしまいましたが、最近の関心事の一つと言えば、刑事事件における司法改革でしょうか。

特に、被害者の刑事裁判への参加を認める制度が実現化しようとしていますし、平成21年からは、裁判員制度がスタートします。

裁判員制度とは、一般市民が刑事裁判、特に殺人などの重大な事件について、裁判官とともに、有罪か無罪かを検討し、決める制度です。
 残念ながら、私たち弁護士は、裁判員候補からは除外されるので、裁判員として、刑事裁判に関わることはないのですが、多くの方は、ニュースなどで耳にしつつも、まさか、自分はあたらないだろう、自分は関係ないと思っておられるのではないでしょうか?

よく耳にするのは、裁判員は、いわゆる有識者のような方々から選ばれ、ごく一般の会社員・主婦の方は対象外だと誤解されているようです。
 いえいえ、裁判員候補者は、選挙権を有する方の中から、無作為に選ばれるものですから、成人であるかぎり、裁判員候補として指名される可能性はあるのです。
 もちろん、私たち弁護士のように法律で定められた除外事由に該当する方や、病気でどうしても参加できない方などは、候補者から外されますが、小さい子供さんがいるとか、仕事が忙しいとかいう理由では、辞退することはできません。
 また、守秘義務も課されますし、仕事を休まなくていけないなど、多くの負担を伴いますので、裁判員にはなりたくないと思っている方も多いと思います。

でも、これらの犠牲の代わりに、裁判員として刑事裁判に参加することによって、得るものも色々とあるかも知れません。
 私自身、弁護士という仕事に就き、弁護人として刑事裁判に携わるようになってから、「犯罪行為」に対する考え方や思いが変わったように思います。
 それまでは、犯罪行為はどこか自分とは無縁の、別世界で起きているような、犯罪を犯す人は自分とは別の人種の人間であるかのような感覚を持っていました。
 ところが、この仕事を始めてから、犯罪行為を犯してしまった人も、その被害者も、そしてそれを裁く裁判官も、同じ空気を吸っている、同じ人間なんだということを痛感しました。

そして、自分もいつ、犯罪行為に巻き込まれるかもしれない、さらには、いつ何時自分が加害者側に成り得るかもしれないという実感を持ちました。例えば、車を運転する人であれば、誰でも交通事故の加害者となり、刑事被告人として、裁判所の被告人席に立たないといけない危険性があるということです。まさに、「明日は我が身」です。

実際に制度がスタートして、早速裁判員に選ばれた方は、まるで罰ゲームに当たったような、損をした気持ちになる方もいらっしゃるかも知れません。
 でも、是非とも、その事件において一体何が起こったのか、なぜ被告人はそのようなことをしてしまったのかを、よく考え、受動的ではなく積極的に参加して頂ければ、最後には「参加してよかった」という感想をお持ち頂けるかもしれません。
 また、私たち弁護士も、そのように思って頂けるように、裁判員の方に理解しやすく・参加しやすい刑事裁判を実現していけるよう、精進していきたいと思います。

山田 敬子

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