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コラム

弁護士の丸橋です。
 前回のコラム更新から2年を過ぎました。
 まず、事務所の構成メンバーの移動をお伝えします。
 本年1月から、西松依里子弁護士が入所しました。
 西松弁護士は京都大学法科大学院の出身で、丸橋と三木以外では初めての京都大学出身になります。
 西松弁護士は素直な若者であり、このまま素直に成長してくれることを期待しています。

 さて、当事務所法律部門では、近年会社関係事件及び医療関係事件が増加して来ています。
 それで今回はそのうちの会社関係事件、特に事業承継について、お話ししたいと思います。

1. 会社関係事件といいましても、色々な事件があります。
 労働事件や商取引トラブル、倒産整理などの事件は除きます。
 私がこれまで担当した事件ですと、経営権争い、事業買収、事業再編、事業承継などが会社関係事件ということになると思います。
 経営権争いや事業買収というのは、何をするかがわかりやすいと思います。
 それに比べまして、事業再編、事業承継というのは、具体的に何をするかという決まったものはありません。
 事業承継といいますと、皆様は相続税対策をまず考えられると思います。
 それも事業承継問題の一つですし、三木税理士はもちろん、私もそのような事業承継に関与することもあります。(第7回コラムはこれに関するものです)
 ただ、私が今回お話ししたい会社関係事件としての事業承継とは、相続税対策としての事業承継とは異なります。

2. 中小企業・同族会社では、創業者等の経営陣の高齢化と親族での後継者不足、また事業内容自体に将来性がなくなってきた場合など、将来に向けた事業の存続が困難になることがあります。
 そのような場合に、どのようにして事業を存続させ、またオーナー一族の財産を確保し、従業員の雇用を守るかということが問題になります。
 そのためには、純粋に事業を売却することもあります。(これは企業買収の問題です)
 しかし現実には、その会社個々の事情により、色々なことを考えることになります。
 私はこれらを広義の会社承継・事業再編と呼んでいますが、一定の決まった方策があるわけではありません。

3. 例をあげますと、@同族会社の経営権支配グループの株式を他グループ株主に売却したケース、A複数のグループ会社のうち、不振企業の事業を他のグループ会社に承継するとともに、不振企業を解散・清算すること及び経営者の代替わりを行うことで、他グループ企業などの税負担等の費用を大幅に削減したケース、B経営者一族に事業後継者がいないことから、従業員に会社を承継させる(株式売却を含む)ケースなどです。
 これらは、項目だけをみると簡単なことに思われるかもしれません。
 しかしながら、現実には課税の問題や事業承継方法による債権債務の移転、取引先との関係等の問題があり、現実にはいずれも相当なプランニングが必要になります。
 たとえば、@のケースでは、税務上妥当とされる株価が非常に高く、その株価での売却は購入グループ株主には到底支払えないものでした。
 購入グループ株主が準備できる金額に対応した株価で売却すれば、低額譲渡として、売主側に税務上の妥当価格での売却とみなされたうえでの譲渡所得課税、買主側には税務上妥当価格との購入価格との差額についての贈与税課税があります。また経営権支配グループ株主からすれば到底納得できる金額ではありませんでした。
 また購入グループ株主からは、当初準備できる金額内で1株あたり税務上妥当金額で一部株式を購入し、残りを贈与してほしいという提案がありましたが、この場合も、経営権支配グループ株主からすれば到底納得できる金額ではなく、かつ購入グループ株主に約3000万円程度の贈与税課税があります。
 このような状況で、経営権支配グループ株主が取得できる金額を大幅に増加させ、かつ購入グループの負担を増額させないプランを考えたわけです。
 Aのケースでは、貸倒の損金処理を利用するとともに、会社分割の制度では、債権者等を害しないかぎり、承継資産及び債務をコーディネイトできることを利用して、債権者その他には一切迷惑をかけずに経営権承継者に実質的な利益移転を実現しました。
 Bのケースでは、@と同様の問題がある上、会社の信用が経営者一族に対する業界内での知名度や経営者一族の個人資産によるところが大きいため、経営権移転に伴う取引先及び金融機関への影響をどのように抑えるかが重要になります。
 このように、各ケースで考慮する問題は様々であり、それに対応する方策もさまざまです。
 ただ、いずれにしても大きな財産移転が発生しますので、会社法その他の法的なノウハウだけでなく、課税上の対応もきっちり行うことが必要になります。

4. 10数年前ころまでは、同族会社・中小企業には、買収や事業承継・組織再編等といった問題はほとんど無かったのはないでしょうか。(経営権争いは有りましたが)
 しかしながら、近時は同族会社・中小企業間でも企業買収が増加していますし、企業買収の変形ともいえるのかもしれませんが、事業承継・組織再編によって事業の存続をはかるということが増加しています。
 この種の問題は、弁護士と税理士の業務がクロスオーバーするところで、事案にはよるでしょうが、双方のノウハウを持つ者、又は双方の資格者の共同作業が必要になるのだろうと思います。

以上

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