〒530-0054
大阪市北区南森町1丁目2番25号 南森町アイエスビル4階
TEL. 06-6363-5356 FAX. 06-6363-5358
E-mail. info@tenjin-law.jp

トップへ 事務所概要・弁護士紹介 取扱業務 費用 アクセス Our fellows
コラム

弁護士の丸橋です。
 前回のコラム更新から1年を過ぎました。
 まず、事務所の構成メンバーの移動をお伝えします。
 三木健司税理士の長男三木翔悟君が一昨年12月に税理士試験に合格しました。
 登録手続きの関係で登録が昨年4月になりました。
 三木翔悟君は、同志社大学卒業後税理士を目指すようになり、当事務所で三木健司税理士の下で税務会計の実務を行いながら勉強をしてきました。
 このまま素直に成長してくれることを期待しています。

1. ところで、今回は相続財産管理人・不在者財産管理人についてお話ししたいと思います。
 広い意味で財産管理といいますと、破産管財人、後見人なども財産管理に該当するのだと思います。
 後見人については、いつかまたお話しすることもあるかと思いますが、今回は相続財産管理人、不在者財産管理人に絞って、お話ししたいと思います。

2. 相続財産管理人はある方が亡くなられて相続人がいない場合に、不在者財産管理人は行方不明の方がいてその財産を管理する必要がある場合に、家庭裁判所が相続財産管理人、不在者財産管理人を選任して、残された財産(負債を含みます)の管理を行う制度です。
 当事務所の一津屋香織弁護士は、相続財産管理人・不在者財産管理人に多数就任しており、経験が豊富ですので、本来、今回のコラムは一津屋弁護士が作成する予定でしたが、担当事件の関係で私が替わりに作成するものです。

3. 相続財産管理人は相続人がいない場合、と言いましたが、私が若い頃は、元々相続人がいない場合というのは少なく、被相続人が多額の負債を抱えていたために全相続人が相続放棄をして相続人がいなくなったというケースがほとんどでした。
 ただ、被相続人が多数の負債を抱えていたとしても、なんらかの財産、特に不動産が財産として残っている場合があります。
 財産があれば相続すれば良いではないかと思われるかもしれませんが、たとえば自宅不動産が2000万円の価値があっても、負債がそれを大きく上回る場合は、2000万円の不動産を相続する一方でそれを大きく上回る負債も相続するわけですから、相続放棄せざるをえないわけです。   
 一方、債権者側としますと、その不動産を売却して債権を回収したいわけですが、相続人がいないと訴訟を提起する相手方がいませんし、抵当権があっても競売を申し立てる相手方もいませんので、手続きがとれなくなります。   
 それで債権者が家庭裁判所に申し立てて、相続財産管理人を選任してもらい、相続財産管理人に債権債務を整理してもらい、又は訴訟や競売の相手方になってもらうわけです。
 不動産以外の財産がある場合も同じです。

4. これに対して、最近は元々相続人がいないという事案が増加してきました。
 少子化や結婚しない方が増加したことが背景にあると思われます。
 一津屋弁護士が担当する相続財産管理人もこのパターンの方が多いようです。
 この場合は、相続財産管理人は債権債務を整理して、財産が残ればそれは国庫に帰属させます。
 ただ、相続人がいない場合ですから、被相続人の詳しい事情がわからず、相続財産や相続債務の調査には相当の苦労があるようです。
 また、相続人以外の方で被相続人の生活の面倒を見ていたなどの特別の関係がある人は、特別縁故者として、相続財産から相当の財産分与をうけることができます。
 たとえば、内縁関係にあった方は、現在の民法では相続人ではありませんが、訴続財産管理人が選任された場合は、特別縁故者として財産分与を申し立てることができます。
 そこまでではなくとも、近親者や近所の方で親密な生活の世話をしていたという場合でも認められるケースがあり、被相続人が入所していた社会福祉施設が特別縁故者として認められたケースもあります。
 このため、先ほどの債務超過パターンでは、債権者が相続財産管理人の選任を申し立てるのですが、この元々相続人がいないパターンでは、債権者以外に特別縁故者に該当する可能性がある方からの申し立ても相当数あります。
 私も特別縁故者に該当する可能性がある方の依頼で、相続財産管理人の選任申立を行ったことが複数回あります。
 今後、このようなパターンの相続財産管理人選任申立が増加すると考えられます。

5. 次に不在者財産管理人ですが、行方不明の方の財産管理と記載しましたが、純粋に一時的な行方不明の場合というパターンは少ないと思います。
 私は1件だけそのようなパターンの不在者財産管理人に就任しましたが、それはかなり特殊な事案で、かつ当初は後で述べます失踪宣告事案と裁判所が考えていた事案で、結局不在者が現れたという珍しいケースです。
 多くの場合は、行方不明者の生死が不明の場合ですが、長期間行方不明の場合は失踪宣告という制度があり、通常失踪であれば7年間の生死不明で利害関係人(推定相続人が多いようです)の申立で家庭裁判所が失踪宣告を出し、失踪者は法律上死亡したものとみなされ、相続が発生します。
 ただ、7年間というのは長い期間であり、不在者の財産を7年間も放置できませんので(親族の方が事実上管理しているということがよくあると思いますが、その方は法律上は無権限者又は事務管理にすぎませんので、たとえば管理財産について係争が発生した場合、財産を処分する必要がある場合などは、対応できなくなります)、失踪宣告がでるまで財産管理人を選任しておくことになります。
 私が経験した範囲では、不在者の不動産を処分する必要があった場合が多かったと思います。
 典型的と思われるケースは、不在者の自宅が居住者がいないため朽廃していき、早急に取り壊す必要がある場合でしょうか。
 不在者とAさんが不動産を共有しており、Aさんがその不動産を売却する必要が生じた時に、持分売買は困難でかつ価格が非常に安くなりますので、不在者と共同売却するためというケースもありました。

6. 相続財産管理人も不在者財産管理人も、頻繁に遭遇するものではないと思いますが、身近な方が行方不明になった場合、相続人がなくて死亡された場合などは、このような制度があることを知って置いていただきたいと思います。

以上

ページの先頭へ戻る